創業98年目を迎えた産業用機械設備のメーカー、株式会社タナベ。糸魚川市内に本社、大野工場、寺町工場の3拠点、東京日本橋に営業本部を有し、日々ものづくりに取り組んでいます。
タナベのものづくりは、「溶かす・焼く・乾燥させる」といった熱の技術をベースにした工業炉や、レアメタル・レアアースの還元リサイクルシステムなど多岐にわたります。国内外から注目を集める技術の独創性が評価され、経済産業省が選ぶ地域未来牽引企業にも選定されているタナベ。今回は、その独自性にも注目したいと思います。
姫川のそばにある広々とした工業団地の一角に、タナベの本社はあります。大野工場が隣接され、設計から製造、工場でのテスト、現地据付工事から試運転調整まで一貫して行うことができるそうです。
今回は、機械設計者、電気制御設計者、現業社員といずれも正社員の募集です。まずは、タナベの企業理念「人と地球にやさしい環境づくり」に込めた思いについて、田辺郁雄社長に伺いました。
「まず、わたしたちが磨いてきた技術を活かせば、人と地球の未来を明るくできるんだという自負を込めたいと考えていました。もうひとつは『そのものづくりは、人と地球にやさしいことか』と問いかけた上で事業を進めなければという自戒を込めています」
タナベを支える主力事業は、工業炉の製造。工業炉とは、物質に熱を加えて加工するための設備です。現在は、電気自動車などに搭載される二次電池(蓄電池)の材料を製造できる、ロータリーキルン(回転窯)の受注が増えているそう。粉状になった原材料を窯に入れ、熱を加えて乾燥させたり焼成することで、電池の材料になるのだそうです。
「電気自動車などはわかりやすく地球にやさしいイメージがありますが、工業炉で製造するのはいわゆる「先端素材」と呼ばれるものが多いんです。省エネ性能を追求して地球環境を守るため、人の暮らしを快適にするために開発される先端素材。わたしたちは先端素材を製造する設備を生み出すことで、人と地球にやさしいものづくりの出発点を担っているのだと思います」
他社には真似できないノウハウを組み合わせ、ヨーロッパやアジアを中心に受注数を伸ばしているタナベ。その他、廃棄物から有価価値のあるものを回収する各種溶融技術も扱います。スクラップからレアメタルなどを取り出す還元炉なども「人と地球にやさしい」ものづくりにつながっているといえそうです。
毎年、タナベでは、文系や理系といった区別なく採用しているそう。持っていてほしいのは「自分は何をしたいかという意志」と「ものづくりが好きだという気持ち」だと、田辺社長は話します。
「勤務時間をできるだけ豊かに過ごすためにも『自分はタナベでこんなことを実現したい』という思いは大事になってくると思います。タナベでは画一的なものの大量生産や、流れ作業でのものづくりは求められません。常に自分で考え工夫していく余地があるので、ものづくりが好きだという気持ちは、ぜひ持っていてほしいです。
あとは、多くの会社で求められることかと思いますが、コミュニケーションがしっかり取れる方であってほしいですね。エンジニアであってもお客さまに技術面の説明をしますし、ご要望を伺うことも多くなります。製造現場が近いので、密なコミュニケーションが求められます」
続いて、勤続3年目になる土肥さんにお話を伺います。真面目な雰囲気と朗らかな笑顔が印象的な土肥さんは、現在、技術本部で機械設計を担当。プラントの設計やロータリーキルンといった熱処理設備の設計業務に携わっているそうです。
入社の決め手はなんでしたか?
「もともと工学部で機械設計を学んでいたので、ものづくりに興味があったんです。タナベがつくる設備のほとんどは、お客さまのご希望を伺った上でのオーダーメイド。楽しそうだし、やりがいがありそうだと感じたことが一番の決め手でした。今は、オーダーメイドの大変さも味わっていますが(笑)」
どのあたりに大変さを感じますか?
「歴史ある会社なので、豊富な前例を参考にできるというメリットはありますが、お客さまが加工したい素材はさまざまですし、希望される処理方法や処理時間も異なります。確実にご要望を実現する設計をしなくてはというプレッシャーは感じますね。
また、自分の設計を実際に形にしてくれる現場との意思疎通にも気を配ります。製造現場が近いのでコミュニケーションはとりやすいですが、もっと現場で働く社員が理解しやすい図面をつくって、わかりやすい説明をしないといけないなと感じています。ただ、大変なことがあるからこそ、自分の設計が3次元になったときの達成感が深まっていることは間違いないです」
入社以来、ここは成長したと感じることはありますか?
「実務的な面では、設計業務はひととおり学べますし、モーターやシリンダーの知識がついたと思います。設計に必要なCADも使えるようになりました。新人研修では、CADの使い方から製造現場の仕事も体感させてもらえたので、設計業務にも活かされています。先輩方は、忙しい時も質問に的確に答えてくださるのでありがたいです。
この先、さらに成長して取り組んでみたいことは、ひとつの設備を一から生み出すこと。チームで方針を立てて設計に入っていくのですが、その過程の最上流から関われるようになりたいです」
女性は社内に1、2割と少なめだそうですが、年々若い社員も増えているそう。有給休暇も仕事の状況を見ながら取得できるので、プライベートも充実させられそうです。
続いて、同じく技術本部の中田係長にもお話を伺います。勤続16年目で、さまざまな種類の工業炉設計に取り組まれています。穏やかな口調で、実直にお答えいただきました。
仕事をする上で、大切にされていることについて教えてください。
「まず、お客さまのご要望をしっかり伺うことです。お客さまとの打合せにエンジニアが参加するケースが多いのは、タナベの特徴かもしれません。設計側として『タナベの技術をこんな形で活かしたい』と感じたとしても、コストや納期などものづくりには様々な制約があります。その制約のもとで、お客さまのニーズを最大限満たすためにどうしたらいいかを考えることが必要です」
では、部下や後輩の指導で心がけていることはありますか?
「お互いの認識のずれが軽減できるよう、事例を示して具体的に説明することは心がけていますね。自分の当たり前が、相手にとってそうではないかもしれないという前提は忘れないようにしています。
最近、部下の成長を感じた瞬間は、プラントの試運転を一人で乗り切ったときですね。試運転や製品のお引渡しの際にはエンジニアが現地対応するので、時には海外に行くこともあります。現地でのトラブルなども一人で解決し、無事完了したと報告が来たときは私もうれしかったです」
社内では、新人研修や外部研修の他に、およそ週1回のペースで技術勉強会が開かれているそう。技術本部の部長が講義形式でスタートされて、2年ほど定期開催されています。
「タナベでは設計する設備も幅広いので、いろいろなことに興味を持てる方に向いている職場だと思います。入社にあたって必須の資格や技能はないのですが、設計に携わる場合には材料力学の知識が必要です。学ぶ機会も用意されているので、やる気があれば幅広い知識を身につけられます」
これまでタナベが成長してきた秘訣について、田辺社長は3つのポイントを挙げてくださいました。
「ひとつは、活性化している市場にコミットし続けたことだと思います。現在も、世界的なコロナ禍で苦境なのは間違いないのですが、今だと、先端産業を支える素材メーカーなど、現代のものづくりに不可欠な設備を納めることができている。早くから海外市場にも目を向けてきたので、国内が伸び悩んでいたときも伸び盛りの海外市場に輸出することもできた。これも、タナベの強みですね。
そういった歴史もあって、社長に就任以来、「企業は環境適応業」という考えを大切にしてきました。お客さまとの出会い、自分たちでは想像もしなかったご要望やアイデアとの出会いで柔軟に変化することでタナベは生き残ってきたといえます」
2番目のポイントは、長年培ってきたタナベのコア技術を生かした展開をすること。
「時代や環境の変化に適応することと一見矛盾するようですが、現在受注を伸ばしている電池材料の乾燥・焼成を行うための工業炉も、溶かす、焼く、乾燥させるといった熱の技術がベースにあります。今まで造ってきた設備とは違うものをつくってほしいと相談されたときに「違うので無理です」とすぐ言わない。熱が必要な生産設備なら、磨いてきた技術を応用して実現できるんじゃないか。とまずチャレンジすることを大事にしてきました。コアになる技術は、他の会社に負けないという自信があるからこそ、チャレンジもできるので、技術力はこれからも高めていきたいですね」
最後は、お客さまへの真摯な対応。
「設計から納品まで、お客さまのご要望にお応えすることも真摯な対応だと言えますし、万一クレームをいただくことがあっても、真正面から向き合ってご納得いただけるまで対応することはタナベがずっと大切にしてきたことです。その積み重ねで、お客さまからの信頼が厚くなってきたのだと社員に感謝しています」
世界中に顧客を抱えるメーカーとして成長を続けてきたタナベ。しかし、地域に育てられたという気持ちを忘れることはないそう。
「糸魚川住民のみなさんに、さまざまな形で還元したいという思いは強く持っています。
そのためにも、地道に成長を続けたい。企画者は、少しチャレンジングに見える大きな絵を描く、そして、エンジニアが夢物語に見えるその絵を数値化し、技術力で現実にする。その両輪を回して、これからも社会の役に、地域の役に立つ。それがタナベのミッションです」
「人と地球にやさしいものづくり」という経営理念に根ざし、確実に必要とされるものづくりができる会社が、糸魚川市にあります。そんな理念に共感し、会社とともに成長したいと意欲を燃やす方からのご応募をお待ちしています。
募集要項
企業名 | 株式会社タナベ |
住所(勤務地) | 本社・大野工場:新潟県糸魚川市大字大野978番地 寺町工場:新潟県糸魚川市寺町一丁目9-20 東京本部:東京都中央区日本橋小網町16-1タナベビル |
ホームページ | http://www.tanabe-co.co.jp/ |
アクセス | |
雇用形態 | 正社員 |
募集職種 | 機械設計、システム制御設計、営業・技術営業、業務・企画・管理、現業員 |
採用人数 | 機械設計者 2名、電気制御設計者2名、現業員3名 |
給与 | 大学院卒 220,000 円、大学卒 210,000 円、高卒 163,000円 |
待遇 福利厚生 |
・通勤手当 ・雇用保険 ・労働災害保険 ・健康保険 ・厚生年金 ・昇給(年1回、社内規定による) |
勤務時間 | 新潟:8:30~17:30(休憩時間1時間) 東京:9:00~18:00(休憩時間2時間) |
休日 | 完全週休2日制、祝祭日、年末年始、GW、夏季休暇など 年間休日:126日(2020年実績) |
仕事内容 | 機械設計:機械・装置のエンジニアリング、仕様構築、作図(CAD)、試運転調整 システム制御設計:シーケンス制御、プログラム、ソフトの設計、制御盤、電気工事設計、試運転調整 営業、技術営業:顧客対応、受注活動、見積、請求業務 等 業務、企画、管理:受注・売上管理、積算原価企画、工程企画 等 |
必要な資格、経験、学歴 | |
求める人物像 | |
募集期間 | 掲載開始から1年間 ※募集人員が埋まり次第終了とさせていただきます。 |
選考プロセス | まずは下記「応募フォーム」よりご応募ください。応募後、応募企業より直接ご連絡させていただきます。お問い合わせの場合も下記の応募ボタンよりお問い合わせください。お電話での直接のお問い合わせはお控え下さい。 |